溺愛王子とヒミツな同居




「何だよそれ……。

これでも一応、選んでるつもりなんだけど」



苦笑気味に笑う光に、心の中でどこがだよと呟いた。



「んじゃ、ちょっと偵察してくるねぇ」



軽々しく手をヒラヒラ振って、まだ困惑してる彼女のところに、ハンターはまんまと辿り着く。



好き勝手やってる光をいつも放置してんのに、なんだ……。



あの子のことが、気になって目を離せない。



にこやかに笑顔を作ると、手慣れた光らしく彼女に話かけるのが見えた。



「あれ、君もオレに会いに来たの?」



何度とその手のやり方を見てきた俺は、あの子は光狙いじゃないとすぐにわかった。



問いかけにキョトンとして、瞬きを繰り返す。



この手で落ちない女が今まで1人としていなかった光は、思わぬ反応に次の手を使う。



「あれ? オレのフェロモンにやられちゃった?」



投げキッスまで送ったのに、それも空振り。