祥吾が居候し始めてから3日目。
まりやとの同居のことが知られて、黙ってる代わりに家を追い出された祥吾を泊めることになって、最初はどうなるかと心配だった。
意外にも、あれから同居してることを脅してくるわけでもなく、平穏に日常が過ぎている。
妙に大人しい祥吾を不気味に思いながらも、まりやが楽しそうにしてるのを見ると、気にしすぎかと自分に笑えてくる。
「随分と機嫌がいいな?」
昼飯の準備をしてるまりやが鼻歌を歌いながら、俺がいる隣で料理をしていた。
「そう、かな? うん、そうかも」
もっと嬉しそうに頬を緩めて笑うまりやに触れたくなる。
料理中だから我慢と自分を抑えて、また平静を装う。
「だってね、大翔君と一緒にいられるから……幸せだなぁって」
頬をほんのりと桜色に染めて、柔らかく笑うまりやに俺の小さな我慢なんて無意味なものになる。
「なんでお前って、そんなに……」
「うわぁ。たくあん見事に全部繋がってる」
俺の声に重ねて、まりやとの間にズイッと体を割り込ませて入ってきた邪魔者。
「まりやって料理出来るんじゃないの?
一応女の子でしょ?」