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高1になって半月くらい。



もうすぐSHRの時間だというのに、男子は誰が可愛いとか、女子は誰がカッコイイとか



そんな話題で盛り上がっていた。



そんなことに興味がない俺は、窓際の後ろから2番目の席に座っていた。



相変わらず、女大好きの光は朝から女たちとイチャイチャして、鼻の下が伸びきったまま。



何が楽しいんだか理解できない俺は、窓の外をボーッと見つめてた。



ザワザワと賑わっていた教室。



その中から1人の女の声が聞こえた。



「ひゃ……っ!?」



小さな悲鳴をあげて、その子は呆然と立っていた。



いつもの俺なら、ちょっとしたことじゃ驚いたりしない。



まして、自分から女に目を向けることも、あまりないことだ。



だけど、この時は違った。