溺愛王子とヒミツな同居




それも心当たりがないから、首を横に振るしかなかった。



あいつに避けられる理由が全くわからない。



「うーん。あ、そういや大翔ってこの間の休みに動物園に行ったんだろ」



誰にも話してないのに、何で光が動物園に行ったこと知ってんだ……?



眉根を寄せる俺に、祥吾から聞いたことをすぐに白状した。



「聞いたぞ。お前、あの有紗嬢に告白されたんだってな。どんだけ年齢層が幅広いんだよ。

お年寄りまで虜にしそうな勢いだな、お前のビューティーさは」



「そんなことある訳ないだろ」



余計なこと言いやがってと、ここにはいない祥吾の口の軽さに思わず舌打ちしそうになる。



また野菜ジュースを飲みながら、光がうーんと考え始める。



「あのさー、これはオレの勘だけど……もしかしてその時、目の前にまりやちゃんいたんじゃない?」



その時のことを見てたような口ぶりに驚いて思わず光を見ると、ストローを口に挟んでニッと笑い返された。



「その顔は当たりね。そりゃ大翔、お前さー、避けられる理由大だと思うよ?」



俺が避けられてる理由がわかった光は、得意げに鼻で笑ってきた。



何か、この態度がすげぇムカつく。