『いい? 必ずまりやちゃんを先に見つけて、こっちに戻ってきたことをちゃんと伝えるのよ。

美奈ちゃんに聞いたら、すっごく可愛くなってるって言ってたから、早く告白しないと誰かに取られちゃうかもよ~?』



なんであんなこと言ったのか、俺にはさっぱりだったけど、母さんに言われなくても、こっちに戻ってきたら必ず見つけるつもりでいた。



小2の時の約束を果たすために、俺は戻ってきたんだ。



「そういや……まりやちゃんって言ってたよなぁ」



昔のことを思い出していたら、突然光の口から、まりやの名前が出てきた。



「は?」



なんでこいつがまりやのこと……。



「は? じゃなくて! ほら、確か1年の時に、めっちゃ可愛い子ちゃんがオレらのクラスに来たでしょ。

あの時、女嫌いの大翔があの子のことかばったから、ちょっと驚いたんだよねぇ。

もしかして、お前のタイプの子だったりして?」



光に言われて、1年前のこの時期のことを思い出す。