「笑ってる。嘘だと思ってるでしょ?」



「思ってないよ。本当かって疑問はあるけど」



「そんなの思ってるのと変わらないよ。大翔君の意地悪っ」



他愛もない話でも、まりやの心が軽くなるならそれでいい。



とにかく、小さい頃のこともあるし、祥吾のことは様子を見ることにするか。



「さて、明日も早いし今日はもう寝るか。まりや、“また”一緒に寝る?」



途端に真っ赤になって黙ってしまった。



この間、一緒に寝たことを思い出したのか逃げるように2階に駆け上がっていく。



「ふっ……。慌てすぎだし」



その行動があまりにもおかしくて、ついからかうのをやめることができない。



俺も後を追うように、笑いを堪えながらゆっくりとした足取りで2階へと上がる。