溺愛王子とヒミツな同居




「教室で食べるんじゃないの?」



「んなワケないよ。ヒカりんが来いってさ」



そう言ってスマホのメール画面を見せてくれた栞。



そこには、可愛らしいデコメを使った女の子みたいなメールの文章。



さすが宮内君。女の子慣れしてるだけあって、文章の中にも彼の性格を感じることができた。



騒がしい教室を2人で抜け出して、指定された場所へお弁当を持って移動する。



宮内君が指定してきた場所は、利用者が少ない屋上。



階段を上りきって、重い鉄の扉を開けると、吹き抜ける爽やかな風と共にキャンパスに描いたような真っ青な青空が目に飛び込んできた。



「おーい、2人共こっちだよ~」



口にストローを咥えて、手を振る宮内君が私たちに気付いた。



その傍らには、険しい顔付きの大翔君と満面の笑みの谷山君。



この3人が揃うと、確かに凄い豪華。