クラスの女子たちは、イケメン2人に一斉にスマホのカメラを向けていた。
「うわぁ、マジでヒロだよ! 相変わらずカッコ良すぎるな、コノヤロー」
されるがままになっていた大翔君は、いきなり静かに立ち上がった。
「祥吾……なんでお前がここにいるんだよ」
驚きを隠せない様子で、谷山君を見つめる大翔君は、表情を硬くする。
「なんでって、そんなの寂しいからに決まってんじゃん。
ヒロも光も違う高校受験しちゃうしさ。
俺だけ置いてけぼりなんて酷い話だろってことで、転校してきちゃった」
わざとらしく可愛く笑った彼は大翔君の肩に腕を回したままクラスのみんなに向き直り、。
「隣の2組に転校してきました谷山祥吾(たにやましょうご)です。
谷先こと谷山悠二の弟なんで、兄貴共々よろしくお願いします」
第一印象とは違い、茶目っ気たっぷりにえくぼを作って笑った彼に、みんな驚いた。
誰かに似てると感じたのは、谷山先生の弟さんだったからなんだ。

