「祥吾……お前マジで転校してきたの?」
用があって職員室に行っていた宮内君が、戻ってくるなり大きな声を発する。
祥吾と呼ばれた彼は、その声に振り返った。
「光じゃん。お前、兄貴のクラスだったんだ」
宮内君と知り合いらしい谷山君は、顔を輝かせ始めキョロキョロと何かを探す素振りを見せている。
その視線の先は、ある一点で止まり、さらに瞳を輝かせた。
「ヒロ!」
短くその名前を呼び、歓喜に体を震わせていた。
谷山君の視線の先にいたのは、だるそうに机に顔を突っ伏した大翔君。
昨日のことが原因だと気付いた私は、申し訳なさでいっぱいになった。
名前を呼ばれて、気怠そうに顔をあげると、その瞬間に目を見開いて固まった大翔君。
「ヒロだ……。久しぶりだな! メッチャ会いたかったんだぞ」
まるで、久しぶりに会った恋人みたいなテンションで、大翔君に駆け寄りそのままの勢いで抱きついた。
「きゃー!! 大翔君に抱きついてる!!」
「美しいツーショット! シャッターチャンスよ!」

