私と大翔君が幼なじみということを知ってる栞と宮内君は、なぜかニヤニヤ顔。
私はというと、何も言えずに動くことができなかった。
「弁当……おばさんから預かった」
ボソッと呟いて、何もなかった顔をして、自分の席に着いた大翔君。
それを聞いて、大翔君なりに周りに同居してることがバレないようにお弁当を渡す理由を考えてくれたんだと気付いた。
でも。
「何!? ヒロ君とまりやちゃんは、どういう関係なの?」
「まさか……付き合ってるとか……?」
「マジ!? でも、大翔って女嫌いじゃねぇの?」
次々に飛び交う好き勝手な言葉たち。
これをどう収拾すればいいのかなんて、私にはそんな術はさっぱりわからない。
みんなの質問の嵐にただ黙ってることしかできないよ。
「うるせーな。俺とまりやは、幼なじみなんだよ。
いちいち騒ぐな」

