一緒に寝てほしいと我儘を言って、大翔君を困らせてしまった翌日。



朝早くに目が覚めた私は、自分がしたことが恥ずかしすぎて、穴を掘って入りたい気分だった。



いくら怖かったとはいえ、大胆すぎる自分の行動に大翔君はどう思ったんだろう。



どんなふうに顔を合わせていいのか、正直わからないでいた。



朝も大翔君が起きてくる前に家を出てきちゃったし、変に思われたかもしれない。



はぁ……っと溜息をつくと、突然腰辺りを強い力でガシッと掴まれた。



「ひゃぁ……!?」



驚いて大きな声を出した私に、クラス中から注目を集めてしまった。



「色っぽい溜め息なんかついちゃって、恋煩いですかい?」



「栞っ! もう、ほんとにビックリした」



振り向くと、手を自分の肩にかけ、男の子みたいに鞄を持って登校してきた栞がニヤニヤ笑いながら立っていた。



「いや~、朝からいい声聞いたわ。

これだから、まりやにちょっかいかけるのは止められない」



1人納得して頷いてる栞に、日々おもちゃ扱いされてる私。