迷いながら、何かを伝えてこようとしてくるまりや。
しばらく待ってると、まだ少し震えが残る小さくて華奢な手で、俺の手を握ってきた。
「今日……一緒に……寝て……くれる?」
「……っ!」
怖いのはわかるけど、自分が何言ってるのかわかってんのか?
幼なじみだからって、安心してるのかもしれないけど、俺は男なんだぞ。
その意味、わかって……るわけないよな。
手を握ったまま、薄暗い部屋の中で懇願するように見つめられたら、ダメだとわかっていても俺が折れるしかなかった。
「……わかったよ」
理性を保つ自信なんて、はっきり言ってなかった。
だけど、それ以上にこんな状態のまりやを放っておくこともできない。
今夜は眠れないだろうと腹をくくり、ベッドに入る。
繋がれたままのまりやの手をグッと、自分の方へ引き寄せた。

