「お、下ろして……っ」
そんなか細い声で抵抗しても、下ろす気も離す気もまったくない。
「お前、軽すぎ。お願いされても下ろす気ないから。
まりやが悪いんだからな」
まりやを腕に抱いたまま、懐中電灯の灯りだけを頼りに、2階の自分の部屋へと上がっていく。
まりやの部屋のドアを開けて、ベッドの上にまりやを静かに下ろしてやる。
「……ごめ……なさい……っ」
俺が怒ってると勘違いして、泣きそうになりながら謝ってくる。
「怒ってるわけじゃないから」
親指で目元の涙を拭って、頬に手を添える。
「少し落ち着いた?」
優しいトーンで話しかけると、すぐにコクンと頷いて、唇を引き結んだ。
「あの……っ」
「ん?」

