どれくらいそうしていたのかわからない。



どんな言葉をかけても、まりやが俺から離れる様子は全くなくて、さすがに俺も困っていた。



雨は相変わらず降り続いてるけど、雷の音はいつの間にか止んでいた。



「雷は止んだみたいだし、停電もその内に復旧するだろうから、今日はもう寝るか」



なるべく明るく言ったつもりだけど、顔を伏せたまま首を横に振るだけで、俺に抱きついたまま。



こんな時だけど、好きな奴にずっと抱きつかれてるのは、かなり辛い。



全く動く気配のないまりやとこのままでいるのはマズいと思った俺は、仕方なくこの手を使うことに。



「部屋に行くぞ」



肩を掴んでまりやの体を離すと、そのまま膝裏に手を差し込んで抱き上げる。



「ひゃ……っ!?」



「少し我慢しろよ」



予想もしなかった出来事に小さく悲鳴をあげ、とっさに俺の首にしがみついてきた。