溺愛王子とヒミツな同居




後片付けはしておくからというまりやに甘えて、先に風呂を済ませリビングに戻ってくる。



「お先。まりやも入ってこいよ」



少し眠そうにテレビを観ていたまりやに声をかけると、トロンとした目で見上げてきた。



その表情に一瞬ドキッとしてしまう。



「……はーいっ」



そんな俺には気付かず、バスルームに消えていくまりや。



いきなりあんな顔で見上げるなんて、反則……。



心臓に悪すぎだろ。



力なくソファに座ると、俺はテレビのスポーツニュースをぼんやり観ていた。



少しして、テレビだけついてる静かなリビングの窓ガラスを強く叩く音が響く。



カーテンを開けて見ると、いつの間にか雨が降り出していた。



風も強く、雷まで鳴り始めている。



今夜は荒れるかもな……。



ボーッと窓際を見ていると、ゴロゴロとどんより黒く厚い雲が音を鳴らし、鋭く光ってすぐドーンッと近くに雷が落ちる音がした。