溺愛王子とヒミツな同居




俺が聞いてないと思って言いたいこと言いやがって。



学校で会ったら覚えてろよ。



それから素直に帰って行った光を見送ったまりやがリビングに戻ってきた。



「まりや、悪い」



「ビックリしちゃった。ちゃんと上手に演技できてたかな」



「大丈夫。合わせてくれて本当に助かった」



何とか光の突然の訪問を切り抜けた俺たちは、それからゆっくりと昼飯を食べ、近くのスーパーに買い物へ。



買い物カゴを手に持って、まりやと横並びに歩きながら食材を選んでいく。



「今夜のリクエストは?」



「え? 今日は私が食事当番だよね?」



ミンチコーナーで、合挽きを手にした俺にまりやは不思議そうな表情を浮かべる。



「さっき頑張ってくれたから、俺からのご褒美」



「え? さっきって……。

そんなこと気にしないで?」