「今日、何か食いたいものある?」
「え? 別に……」
つい素っ気なく返事をしてしまった。
何もないのに、普通に接することができない。
絶対に変だって思われてるよね。
「そんな不安そうな顔するな」
どうして……わかるの?
「まりやは、昔からわかりやすいからな」
私が抱いてる不安を大翔君はわかってるみたいで、表情を和らげる。
「隣のクラスの女子に呼び出されたけど、顔も名前も知らない奴だったから、ちゃんと断った。
まりやが気にしてるのは、このことだろ?」
「ち、ちが……っ!」
「違わないだろ。嬉しそうな顔してる」
「えぇっ!?」
焦って手で顔を覆う私に、今日の大翔君はとことん意地悪だ。

