溺愛王子とヒミツな同居




その日の夕方。



学校も終わり、帰ってきて1人家でテレビを観ていた。



大翔君、遅いな。



私が教室を出る時に帰る支度してたから、すぐ帰ってくると思ってたのに。



今日は、買い出しの日じゃないし、宮内君とどこかで遊んでるのかな……。



テレビの内容なんて、全然頭に入ってこなくて、壁に掛かってる時計ばかり気になる。



無意識にテーブルの上に置いてあるスマホに手が伸びたけど、触れる直前でピタッと手を止める。



そういえば私、大翔君の電話番号もメアドも知らないんだった。



一緒に住んでるのに、大きくなってからの大翔君のこと、全然知らない。



私が知らないだけで、女の子苦手みたいだけど、特別に想ってる子がいるのかな……。



その子と一緒にいるから、帰りが遅いの?



一度、考え出したら止まらなくて、勝手に想像して不安にさせてる自分自身に、大きな溜め息が零れる。