溺愛王子とヒミツな同居




仲睦まじく笑ったり、手を繋いで歩いたり、デートしたり。



大翔君が他の女の子とそんなことしてる姿なんて……。



何か、嫌……っ。



胸がモヤモヤして、何とも言えない気持ちが初めて生まれる。



「いいの? まりや」



再度、確認してくる栞の瞳を不安げに見つめ返す。



「まったく。ほんとにまりやは可愛い奴だね。

素直に顔に出るとこ、あたしは好きだよ」



「どういうこと?」



よくわからなくて、首を傾げる私にポンポンと背中を優しく叩いてきた。



「まぁ、とりあえず再会できたことには、おめでとうを言うよ。

ずっと想ってきたこと、あたしは知ってるし、まりやには頑張ってほしいしさ。

ライバル多いと思うけど、全力で応援してあげるから頑張りなよ」



グッと親指を立てて、栞らしいエールを送ってくれる。



それが凄く嬉しくて、自然と頬が綻んだ。