「それで、誰?」
落ち着きを取り戻した栞と2人、その場に並んで座り込む。
どアップでそう尋ねられて、苦笑いを返す。
「私も全然気付かなかったんだけど、大翔……松坂君」
「……松坂って、あのイケメン? クールビューティーなあのイケメン王子?
親友の宮っちに容赦のないあの松っちゃん? ……マジすか!?」
信じられないよね。
私も最初はそうだったから、気持ちはよくわかる。
ずっと会いたかった人が、学校一カッコイイ人だなんて、今でも信じられない。
「え? じゃあ、さっきの幼なじみの話って、もしかして、まりやと松っちゃんのことだったの?」
「うん」
「マジかぁ! いや、今年いちばんビックリしたわ。ほんとに。
そっかぁ、まりやの想い人がまさか、うちの王子だったとはね」

