こんなに嫌がるなんて、よっぽど嫌いなのかな。
それにしても、さっき何を言いかけたんだろ。
気になりながらも、タイミングを逃して、それ以上は聞くことができなかった。
「オーッス! お2人さん、今日も朝から一段と輝いてるね」
栞も入ってきて、フレンドリーに2人に挨拶をする。
「米ちゃん、おはよー」
「……おはよ」
人懐っこい笑顔で挨拶する宮内君と、無表情でクールに返す大翔君。
2人の違いすぎる温度差に、何だか可笑しくなってしまった。
「まりやも朝から両手に華ならぬ、両手に美男子じゃん!」
「ちょ、栞! そういうこと言ったら失礼だよ」
「こんなこと人生であるかないかなんだから、楽しまなきゃ損じゃん」
そんなふうに考えられるのは、栞くらいだよ。
それにさっきから、クラスの女子からの視線が刺さるように注がれてる。

