溺愛王子とヒミツな同居




大翔君が?



だから、宮内君が知ってたんだ。



「マジで驚いたよ。

あの大翔にこんな可愛い幼なじみがいたなんて」



「宮内君、可愛いなんてそれは言い過ぎだよ」



「そうやって謙遜するとこがまた可愛いよ。

大翔の幼なじみじゃなかったら……」



小声で何かを呟いた宮内君。



よく聞こえなくて、もう一度聞き返そうとした時。



「じゃなかったら……何だ?」



肩を大きく震わせた宮内君は、バッと後ろを振り返る。



「あ、おはよ~。 大翔」



「何もなかったような顔して、ちゃんと聞こえてんだよ。

さっき言おうとしたこと、今度口にしたら一生ピカりん呼ばわりしてやるからな」



「ホントにそれやめてよ。

そのあだ名聞くだけでも、トラウマになりそう」



両手で耳を押さえて、大翔君から逃げる宮内君。