お弁当を作ったあとは、2度寝タイム。



そうしないと、授業中に起きていられなくなっちゃうみたい。



私は、2度目に起きてきた時の少し眠そうな大翔君がちょっぴり可愛くて、私にとって学校がある時の朝の楽しみの1つだったりする。



隣に立って、ボーッと歯を磨く大翔君をじっと見上げる。



鏡の中で合わさった視線。



喋れない代わりに、せっかくセットしたばかりの髪をクシャクシャにされた。



「あ……! やっと上手にセットできたのに、酷い……」



髪を必死に直す私の横で、歯を磨き終わった大翔君が私の顔を覗きこむ。



その近い距離に、何でもなかった胸の鼓動が途端に速くなる。



「じっと見てるから、悪戯したくなるんだよ。

ちゃんと直してやるから、機嫌直せ」



悪戯っぽく笑う子供みたいな顔に、朝から私の胸は落ちつかない。



温かくて、大きな手が髪に優しく触れる。



優しいところは変わってないけど、少し意地悪になったということも最近初めて知ったことの一つ。