「何ニヤニヤしてんだ。 気持ち悪い」
「今日は何を言われても許すさ。
だって、大翔のこんな態度レアすぎでしょ!
これをイジらずにして、いつイジるんだって話だよ」
完全に俺をおもちゃにして楽しんでやがる。
「お前も健全なる男子高校生で、オレは本当に安心したよ」
お前は、どこの親父だよ……。
なんだ、人を珍しいもの扱いしやがって。
「うっせーぞ。 いいから帰れ」
帰ると言いながら、俺でずっと遊ぶ光を半ば強引に玄関に向かわせる。
「超不機嫌じゃん。
そんな険しい顔じゃ、まりやちゃんに嫌われるぞ~」
ギロッと鋭く睨んだ俺に、一瞬怯んだ光は渇いた笑いを漏らす。
「マジでまりやちゃん絡むと人が変わるねぇ。
クールビューティーな王子様は。
オレも本気で、まりやちゃん狙っちゃおうかなぁ」

