これ以上、話が長引くのはよくないと思い、謝る。
「大翔が謝った……」
「お前は、俺を何だと思ってんだ」
「ハハッ。親友に決まってんじゃん」
嬉しそうに笑って言う光に、今度は拍子抜け。
さっきから、親友って連呼して恥ずかしい奴。
けど、裏表ない光だから、今でもこうして一緒にいるんだろうけど。
「はぁー。それにしても、今日は来て良かったわ。
大翔のことも更に知れたし、面白いネタもできたし」
ニィッと何かを企む光の顔に、睨みを返す。
「用が済んだなら、帰れよ。
俺は、忙しいんだ」
「ハイハイ、帰りますよー。
てか、さっきから気になってたんだけど、お前どこか行くの?」
「は? 何がだよ」
「だって、その荷物……。
旅行でも行くのかと思って」
リビングのソファ横に、何気に置いた着替えの入った鞄を指差し、光が不思議そうに尋ねてくる。

