「そういうことじゃなくて! マジで本当に女嫌いじゃないの……?」
ゴクリと息を飲み込んで、まるで事情聴取のような緊張感を漂わせてくる。
こいつ、なんで俺のことにこんなに真剣なんだ。
「だから、違うっつってんだろ。
苦手なタイプはいるけど、嫌いってわけじゃねーよ」
「はぁ!? そういうことはもっと早く言えって!
お前は口数が少ないんだよ! もっと喋れ!」
「うるせーな。 デカイ声出すな……。
必要なことだけ言えば、十分だろ」
「不十分すぎるだろ。オレと出会って、何年経つと思ってるわけ?
親友のオレにも、こんな大事なこと言わないなんて、お前酷いよ」
なんだ、この言われようは……。
まるで、俺が悪いみたいじゃねーか。
聞かれなかったから、言わなかっただけなのに、そんな重要なことになんのか。
泣き真似をして、制服の袖で目元を拭うフリまでする光に、めんどくせぇと思いながら頭を掻く。
「はぁー……悪かったよ……」

