しつこいな……。
「そんなの、変わるわけないだろ」
「絶対に違った! だいたい、大翔が自分から女の子に目を向けるとか、今まで考えられないことだ!
それにしゃべってる時も、まりやちゃんに向けては特別なものを感じる。
お前……やっぱり、まりやちゃんのこと……」
再会して、同じクラスになってまだ数日しか経ってないのに、どんだけ人のこと見てんだ。
このままだと、話すまで食い下がって帰りそうにないと判断した俺は、はぁ……っと重い溜め息を吐く。
仕方ないと口を開いた。
「あいつは、幼なじみなんだよ」
しばらくお互いの睨み合いのあと、静かに呟く俺の声だけが、妙にリビングに響いた。
俺を見ていた光は、真剣な目から一転して、さらに目を大きく開いた。
想像していたことと違った内容に、そのまま声を失っている。
「誰にも話してないけど、俺もあいつが幼なじみって、最近気付いたんだよ」

