そう返す俺に、ニヤニヤしてくる。



「イケメン教師が崩れるぞ……気味悪い」



「ついにヒロも女に目覚めたか!?

彼女できたなら、このお兄様にも紹介してみろよ」



悠二も光も似たようなところがあり、2人が揃うと疲れて仕方ない。



「そういうのじゃないから。

じゃ、俺急ぐんで、先生さようなら」



真顔で、面白くも何ともない言葉を返す俺に「可愛い奴だねぇ」なんて、心にもないことを呟いていた。



まりやと暮らす間は、助っ人を頼まれても全て断っている。



一緒に暮らすと言った以上、あいつを1人にするわけにいかない。



「大翔君」



校門を出たところで、今日の夕飯のことを考えていたら、そんな小さい声に呼び止められた。



「……まりや」



先に教室を出て帰ったはずのまりやが立っていた。