まりやとの同居生活がスタートして3日目。



帰る支度をしていた俺のところに、担任の谷山先生がやってきた。



「おーい、ヒロ~!」



「ここ学校ですけど、谷山先生」



「俺とお前の仲だろ。堅いこと言うなよ」



他の生徒の前ではきっちりしてるくせに、なんで俺と話す時はこんなにユルいんだよ。



「教師がそんなことでいいのかよ、悠二」



「うわっ。お前こそ、担任の俺に呼び捨てかよ。
しかも、下の名前だし」



「うるせーぞ。言っとくけど、当分助っ人とか無理だからな」



そういう誘いだろうとわかっていた俺は、先に断りを入れる。



それにギョッとして、持っていたクラス名簿で肩をトントンと叩いた。



「んだよ、冷たいなぁ、松坂は」



「俺にも色々あるんだよ」