溺愛王子とヒミツな同居




モヤモヤしながらリビングに来ると、いい匂いが鼻をくすぐる。



途端に私のお腹が鳴った。



「プ……ッ。すごい音だな」



両手にお皿を持った大翔君がクスクス笑っていた。



まさか、聞かれていたなんて思わなかった私は赤面。



今日に限ってこんなに大きい音で鳴らなくてもいいのに……。



恥ずかしすぎる……。



さっきの寝顔といい、お腹の音といい、同居初日から変なところばかり見られてる。



「あまりにも美味しそうな匂いがしたから」



恥ずかしさを堪えて言うと、テーブルの上には出来たてホヤホヤのオムライスとコンソメスープが。



「別にいいんじゃねーの。素直ってことだろ。

まりやも腹の虫も」



フォローしてくれてるつもりなんだろうけど、笑われてる私としては複雑。



「丁度できあがったし、冷めないうちに食べろよ」



改めて見ても、簡単に作ったとは思えない完成度。