「わ~なんか中学生みたーい!」

ぱりっとノリづけされたぶかぶかの制服を着た私を見て由紀は言う。

「みたいじゃなくって今日から中学生じゃん!」

「まぁそうなんだけどさ~実際制服着てもなんかそんな感じしないよねっ。」

「確かにっ!」

二人で笑いながらこれから通学路になるであろう道を歩いた。
着慣れない制服に身を包んだ人で溢れかえっている。
だけどみんな見慣れた顔。
お受験してない限りみんな同じ中学校に入学するのだからそれもそうだ。

「あっ見て見て!ほらっあれ高瀬と裕史じゃん。制服似合ってないね~。」

隣でケタケタ笑う由紀。

「そんな事言いながら嬉しいくせに~!」

「まぁそりゃねー!私の裕史だもん。」
「片思いだけどね?」
「なんでいちいちそう言う事言うの!性悪。」
「冗談じゃん!ごめんって~!でもさそれなら早く告った方がいいんじゃない?他の学校の子と一緒なるんだからさ。」

私たちが入学する中学校は私たちの小学校ともう一つの小学校が一緒になる。

「それそれそれ!ほんっとそれ!やばいよね?!分かってるけどさそんな簡単に言えたら苦労しないよね。」

そう言いながら女の子の顔をしてる由紀は本当に可愛い。

私にとって由紀は妹みたいな大切な存在。
だからこそ本当に幸せになってほしい。

「一緒のクラスになれたらいいのにね。」
「うんっ!!」