彼は冷めた王子様


そして学祭当日。

あたしと彩は一緒にクラスの出し物のレジ員をしている。

それにしてもすごい人。

教室の中にはたくさんの生徒が来てくれている。

柊弥、恭聖くん、蓮くんは、注文をお客のところに届けている。

この三人は学校でも有名人なせいか…。

この人たちの中には三人目当ての人たちもいるだろう。

なんたって女子生徒の目がキラキラしているから。

はぁ。柊弥と話したいけどなぁ。

「あー!美愛じゃん?実物もかわいーよねー」

この人っ…2ーCだ…。

「これから一緒にまわらないー?」

「美愛に触るのやめてよ!」

彩…。

「怒るなってぇーっ」

グイッと腕をひっぱられる。

「美愛!」

「ちょっ…!やめって…離してっ…」

グッ…

今度は反対方向に引き寄せられた。

「俺の女に触んな」

「しゅ…う…や」

「ちっ。っんだよ」

男は去ってった。

「…ありがと…」

「お前なぁ、自分に自覚なさすぎ。
普通にしててもモテんのに

こんなカッコしてたらもっと男が狙ってくんに決まってんだろ。

それくらい気をつけてくんねーと俺の心臓もたねーよ…」

「ごめ…んな…さい。気をつけ…る」

「分かればいいよっ。仕事もどろーぜっ?」

「うんっ」