彼は冷めた王子様


HRがおわったら俺はすぐ病院に向かった。

そう。俺は病室の前にいるのだが…。

中には美愛の手を握る知らない女。

だから入れない。

俺は病室から声が聞こえた。

「美愛。あたしだよ。青森から来たよ。
中学の時、親友だったよね?

あたしね、高校も佑と同じになった。
あたしたち3人はよく一緒に遊んでたよね。

あたし佑の事好きだったの。
だけどね?佑は美愛が好きなんだって。
あたしフラれたの…。
今も思い続けてるって…。

あたし、美愛を憎むべき相手って分かってる…。
けど…憎めるわけない…よ…。
美愛はあたしの親友だもんっ…。
いつだってそばにいてくれたっ親友…。
あたし、新しい恋、始めるよ…。
美愛は颯太の事があったから恋をするの辛いと思う…。
だけどあたし美愛に幸せになってほしい。

ね。約束しよ?お互い一生を約束できる相手と幸せになるって。

美愛、大好きだよ。

…じゃぁ、またね…」

その女は病室の扉を開けた。