彼は冷めた王子様


「あたし、髪しばろっと!」

美愛は腰まである茶色の巻いた髪をアップにしてポニーテールにした。

アップにしてるとドキドキがやばい。

白い首筋が。

「柊弥?はやくやろっ?」

「あ、あぁ」

「2ーEはやっぱり黄緑だよねっ!」

「だよな」

いつもは見せないこいつの真剣な顔。

すげぇな。ギャップが。

「あっ!黄緑のペンキたりないからあたし、とりにいってくるねっ?」

「いや、いーよ。俺が取りに行ってくるから待ってて」

「いいの?ごめんねっ?任せたっ」

「おう」

美愛、一生懸命がんばってるしな。

少しは手伝ってあげたいとか思う。

つかペンキってこの教室の近くだっけ。