美愛の話を聞いてから一週間。

美愛は転校生とは一言もしゃべらないが、元気だ。元気すぎる。

俺は上靴をはく。

「柊弥先輩っ」

女…だ…朝からかよ…。

朝1番に顔みたい女は美愛なのにあいつ今日先に学校行きやがったし…。

てか、こいつだれ?
靴の色だと…水色だから一年。後輩か。

「……だれ。俺、朝から女の顔見たくねぇ」

「知ってますよ。女嫌いなこと。
好きなのは美愛先輩だけ…ですよね?」

「…なんで」

「有名ですよ?付き合ってる事。
なんたって一年はほとんど柊弥先輩の事ねらってますから」

やだ。こいつ。俺、女無理だし。
誰か、変わって。女とか1人のぞいて最悪。

「…で、お前は」

俺は仕方なく話す。つーか…下の名前呼ぶなよ…。

「あたしは中田凛です、まぁ、その一年の1人って感じですかね?」

名前なんか聞いてねぇ…。
俺の事が好きな女の1人って事か…。
はぁ、やだやだ。

はやく美愛みたいのに…。

「……話ってそれだけか」

「メアド知りたくて」

は?
「無理」

だいたい俺のメアド知ってるやつなんかみんな男だし。女ったら美愛だけ。

「なんでですかぁっ」

しつけぇ……。

「…だから…女嫌いなんだって」

「知ってますけど…あたし諦めませんから」

ったく。これだから女って…。

「…俺、もう教室いく」


そういって去ったものの…

やっぱり気分悪ぃ。

朝からはやっぱキツイ。

ガララララ

「柊弥ー!おはよーっ!」