彼は冷めた王子様



はぁ。やっと帰れる。

校舎には柊弥がいる。

まっててくれたの…?

「柊弥っ!ごめん…ね?遅くなって」

「美愛…お前…転校生とどういう関係?
あいつが俺にはお前をあげねぇって」

なんでさっ…。

なんで今さらそんなこと…。

「ごめん…」

思いだしたくないよ…。

「謝ってなんかいってねぇよ…。
あいつはお前にとって誰…?」

「ご…めっ…」

「わかんねぇよ…話してくんなきゃ…」

「…っ…」

「話したくないならもういいよ…。
帰るぞ…」

ごめんね…柊弥…。

すべてを話したいけど…。

手をつながないで無言の帰り道。

いつもならはやくすぎるこの時間が長い。
あたし、なんも話せなかったのに柊弥は家まで送ってくれた…。

「んじゃあな…」

「うん……」

あたし、最低だ…。