彼は冷めた王子様


昼休み。

あたしは気分転換に屋上へ行った。

やっぱこっから海見るのはいいなぁ。


ガチャッ

「…美愛さん?」

あたしはふりむく。

そこにはーーーーー。

「…上山さ…ん?」

「…そうだよ」

「なんで?ここに…」

「一言だけつたえたかっただけで…」

「私ね…一ノ瀬くんが好きなの…」

「うん…」

「…美愛さんと一ノ瀬くんが付き合って る事は…知ってるの。だけど…

そんな事で私…あきらめられない…。
美愛さんには悪いかもしれないけど…

あたし…諦めないでがんばる…」

付き合ってる人を好きになっちゃいけないっていう決まりなんかない。

だから…心配で…。

「あ、私授業もどるね?
ごめんね!昼休み時間使っちゃって」

あたしは何も考えられなかった。

上山さんが柊弥を好きなのはわかってた事。

けど…本人から聞いた時のこの心のモヤモヤ。

あたし…どんだけ傷ついてんだろ…。

ちゃんと柊弥を信じるって約束したばっかじゃん…。

大丈夫。大丈夫…。