彼は冷めた王子様



あたしは柊弥を病室によんだ。

「どうした?」


「…柊弥、……別れよ」

声が震えた。

本当はこんなことあたし思ったことないよ…。

「は…?なん…で」

「柊弥は人気物だからっ…あたしは辛いのっ…。

すごい辛いのっ…」

「み…あ…」

そんな顔しないで…あたしだってこんな事思ってない…。

「ごめ…ん…」

「俺…そんな思いさせ…てたの?」

「…っ…」

「そっ…か…ごめん…な…。
もう関わるの…やめる…よ」

いやだ…。柊弥、君と関わらなくなったらあたしどうなっちゃうかわかんない。

「最後にさ…キスしたい…」

「い…いよ」

「んっ…」

君ともっと一緒にいたい。キスだって君とじゃなきゃダメなんだよ?

あたし…弱くてごめんなさい…。

「じゃ…な」

「ばいばい…」

ガラガラガラ…