「…あ、もう10時かよ。はや…」
もうお別れなんて…もっといたい…。
あたしは柊弥の着てた服の裾をひっぱってしまっていた。
「あ…ごめ…ん。帰らなきゃ…ね」
グイッ
さっきと同じ唇の感触。
とろけるような甘いキスであたしをどこかの世界へ連れていく。
「ん…っはぁ…っ」
いつもより長くて。
「んっ…」
「そんな事されて簡単に好きな女を返せると思うのか?」
「んんっ…」
「ん。満足した?」
「じゅう…ぶんです…」
「ははっ」
「また明日も会えるから、な?帰ろっか」
「うん…」
柊弥。すてきな誕生日だった。
ありがとう。
大好き。

