彼は冷めた王子様






「川野さんの足は骨折してますね…」

え…?

「う…そ…」

涙が出てくる。

「先生!冗談ですよね…?」

柊弥があたしの欲しい言葉をいってくれる…けど…。

「冗談ではないです…。
入院とリハビリが必要です。

じゃぁ、今から足固定するもの巻きますね」

あたしは足になにか重いものを巻きながら入院するんだ…。

かたいものを巻いたおかげでさっきみたいな激痛はなくなりふつうに声が出せる。

「柊弥…あたし…一生走れないのかもね…」

「そんなことない…!
絶対、なおるよ」

「そうだと…いいなぁ…。

あたし、クリスマス外…でれるかな…」

「外出許可もらおう」

「そうだね…」

「美愛、笑って?」

「え…?」

「美愛は笑顔が1番似合うから」

「そっ…かぁ…」

あたしは一生懸命笑った。悲しい気持ちがばれないように。


「無理すんな。バレバレだから…」

「柊弥はなんでもわかっちゃうんだね…」