「行っといで。美愛…」
あたしと彩は柊弥の部屋の前にいる。
「美愛、行ってきな?」
「うんっ…。行ってきます」
「じゃ、あたしは部屋戻ってるからねっ」
「うん…」
彩は行ってしまった…。
よし。
コンコンッ
ノックをした。
「はーい…」
「あ、恭聖くん」
「おー!美愛。入っていーよ?
柊弥、今、風呂だわ」
「あ、そっか」
「俺、もう少しで友達の部屋いくから、2人で楽しめよ?」
恭聖くんは
ニヤっと笑う。
「そういうつもりじゃっ…」
「美愛。男はそういう生き物だから。
気をつけな。
ま、美愛が襲われそうになったら俺か柊弥が助けるけどな〜」
「ふふっ…。ありがと」
「おうっ…。てかさ、俺まだお前の事諦め切れてないからヤバイかも」
「えっ…」
「ん、だいじょぶかも」
「どっち…」
「諦め切れてはいないけど。
だけど、柊弥も俺とずっと一緒にいる大切な友達だから、
あいつが相手なら、諦められるよ」
「いい友達だねっ!」
その直後、恭聖くんの唇があたしの口を塞ぐ。
「んっ…」
「甘い…。苺の飴…だね」
「もうっ…恭聖くんたら…急にキスされたら照れるって…」
「柊弥じゃないのに?
俺、期待していいの?」
「…っ?」
「嘘だってー!冗談!
じゃ、俺もう行ってくるから、2人で後は」
なんだ…冗談か…。
「うん!またね!」
「……俺、こいつの事、諦めれない気がしてきた…」
「…?今なんか言った??」
「んーん!なんでもないよっ!じゃね!」
恭聖くんは笑顔で去っていった。

