「そ、そのかわり…?」

グイッ

あたしの顔の前から彼のいい匂い。

一ノ瀬くんはあたしの耳のそばでーーー

「俺の女になってよ?」

へ?

「ちょっと…それ本気?」

「あぁ」

えー!?

「見とれてたんだからそれくらいーー…」

「わ、わかりました…」

「さんきゅっ美愛」

あたしの名前…

笑った彼はいつもより一段とカッコよく見えた。