あたしはそれでも会いにいくのを少し躊躇った。



だから母親の婚約者のヨネダさんに“母親はあたしに会いたいなんて思ってない”って言ったんだ。



すると、ヨネダさんは“ゆきも同じことを言っていたよ。余生があまりないってわかった時、僕は雫ちゃんに知らせた方がいいって言ったんだ。でもゆきも雫ちゃんは自分に会いたいなんて思ってないって言っていたよ”と話した。




あたしはそれを聞いて会いにいくことにした。




あたしもそうなように、母親もあたしに会いたくないなんて思ってないと思ったから。




だけど、会いにいったときにはもう遅かった。




母親は痛みを和らげる薬を投与していて意識は曖昧なことが多い。



医者からは日単位の余生だと言われた。