サヨナラのしずく

俊平はただ黙ってあたしに付き添ってくれていた。



気まずいはずの再会も、今のあたしにそんなことを思う余裕すらなかった。



ただ、タクミさんがいなくなってしまった悲しみや辛さだけしかなかった。



あたしは点滴が終わり病院を後にし、俊平に連れられるまま知らないマンションへとやってきた。




「……ここは?」


「俺が今住んでるとこ」


「えっ?」




あたしの問いに答えた俊平は玄関の扉を閉め、あたしをきつく抱き締めてきた。



あたしはただそれに身を任せた。



そして、俊平にベッドまで運ばれて抱かれた…。