サヨナラのしずく

「もうちょいこのままにしてろ」


「うん」


「後で一緒に風呂入るか?」




俊平はまだ眠たいようで目を閉じたまま話してる。




「え、いいけど」


「けど、なんだよ?」


「誰かとお風呂はいるの久しぶりだなと思って」



そう言うと俊平は目をあけ、あたしを睨むように見てきた。




「誰と入ったんだよ」


「え?お風呂?」


「ああ」


「お祖母ちゃん。って言っても小学生のときの話だけど」




そう答えると、俊平はあたしの耳をパクッと食べようとしてきた。




そのせいか体にゾクゾクとした感覚が走る。





「ん?お前耳感じんのかよ」





あたしの耳を散々弄んでくれた俊平はそう言って声をあげて笑ってる。