サヨナラのしずく

しばらく抱き締めていた俊平があたしの頭を撫でながら耳元で囁いた。




「もう、援交なんてすんなよ」




あたしは素直に頭をたてに振った。



援交なんてしたくてやろうと思ったわけじゃない。



お金が欲しいわけで、セックスが好きなわけでもない。



ただ、自分を傷つけたかっただけ…。



痛みを感じればその痛みだけしか感じなくなるかと思った。



その痛みがどれだけの激痛だったとしてもあたしはそっちの方がよかった。