「お前マジで世話がやけるな」





唇が離れてもあたしを抱き締めたまま俊平はそう言ってきた。



その顔はいつもの意地悪な表情をしていた。




「ごめん、自分でもわかってる」




俊平は冗談のつもりだっただろうけど、あたしは本気で答えた。



だって自分でも自分が我が儘で世話がやけるって思う。



それにあたしもこんな自分が嫌だ。



泣いたり怒ったり、自分のことなのにうまく自分でコントロールができない。





「わかってんなら俺から離れんなよ。お前の世話ができるのは俺くらいだからな」


「うん」





本当にこんなあたしを好きだと言ってくれるのは俊平くらいだよ。