不思議に思い俊平の顔を見ていると、「人前では飲むな」とあたしにだけ聞こえるような小さな声で言ってきた。



それにあたしも小さく頷いた。




女の人は俊平に水割りと、あたしに烏龍茶をいれてくれた。




それを「いただきます」と俊平につられて言って一口飲んだ。




「シュン、お前いつまでも遊んでねぇでそろそろうちに来いよ」


「もうちょい考えさせてください」


「まだ考えるのかよ。もう1年も待たせやがって」


「すみません」




あたしはふたりが何の話をしているのかさっぱりわからなかったけど、黙って聞いていた。



そして、1杯を飲み終えあたしたちは席を立った。