家がそこそこ裕福だった私は、昔から欲しい物は基本なんでも手に入った。


新しい漫画、携帯、ぬいぐるみ、服。
私が望めばいつも誰かが用意してくれた。
いつだって私は新しいものを持っていた。


別に物欲が強かった訳じゃない。
ただずっと何かを手にしていたかったんだ。
最先端のもの持っていれば周りは私と一緒に居てくれるから。



だから私は寂しくなんかない。

私に足りないものなんてない。

私の心は乾いてなんかない。

私は1人なんかじゃない。



何度も何度も部屋の隅で蹲ってそう自分に言い聞かせてきたんだ。