間もなく、開始の合図が体育館内に響いた。
すかさず、皆が出入り口を目指し
ものすごい人波ができている。
バーゲンセールのようで、勢いに圧倒されてしまい、巻き込まれるのも嫌なので怜愛と後ろに下がった。
「よっ!せつらー!」
「あ!!よる!おまえ、今日遅刻しただろー?」
朝から見かけなかったよるがひょっこり現れた。
「いやいやいや、俺ってば皆がくる前から学校居たから遅刻ぢゃねーし。」
「ぢゃあどこいたんだよ?教室で見掛けなかったぞ?」
「んー?屋上で寝てた」
「それ、遅刻になるんぢゃね?」
「はい、お二人共!そろそろ出ないと言葉通り出遅れになりますよ!せつらさま、鍵を持っているのですからしっかり逃げ切って宝を探さないと!責任重大ですよー」
そう、クラスから半ば押し付けられる様に鍵を任されてしまった。
その他五名も推薦で選ばれ決められた。数名ずつに別れて鍵を持つ人物を守ることになった。
「神咲さん、がんばろうね!」
「大丈夫て!自分達が神咲さんを守るから安心してな!」
自然と
鍵を持つ人中心に、普段連む仲良し組でグループができて行く中、おれのグループだけが何故かジャンケンで決められた。
そして決まったのがこの二人だった。
えーと、梶山くんと、土方くんだったかな?
真面目そうな短髪童顔が梶山くんで、少し変わった語尾のパーマがかった頭のほうが土方くんだ。
「あ、ありがと.......。でも、お、私の身は自分で守れるしちゃんと鍵は死守するから、心配しなくても大丈夫だよ!」
「神咲さん......」
「でも.....」
「あ、それと、梶山くんも土方くんも私のことはせつらでいいからさ!」
「あの、僕は梶山ぢゃなくて金山なんだけど.......」
「はは、同じく石川......」
二人は眉を下げて苦笑いを浮かべて
クスクスと笑った
「およ?」

